艦これはなぜネットゲームなのか

艦これはネットゲームです。

This is a penみたいな何を今更な話だけど、じゃあなんで艦これはネットゲームなんだろうねって話。いつもの妄想。

艦これの目的

なぜ艦これというサービスを提供しているかってそりゃ儲けるためだろうけど、儲けるだけならネットゲームでなくてもいいし、軍艦モノである必要もない。それをわざわざ「軍艦モノのネットゲーム」にしたのはなぜか。

「軍艦オタクを増やしたいから」じゃないかな。

「軍艦オタク」を増やすには

第二次世界大戦ってもう何十年も前の話です。親戚にも経験者のいない若い世代にとって、それはもう戦国時代や土器時代と大差ない。そんな昔話に自然に興味を持ってくれる人は当然少なく、人口が減るばかりの衰退ジャンルと言っていい。

そして艦これの発起人はそんな軍艦オタクだった。「趣味仲間を増やしたい」―衰退ジャンルの住人がほぼ例外なく持つこの欲求をこの人も持っていた。

けどどうしたら集客できるか。普通にブログで軍艦の魅力を説いても軍艦オタクが喜ぶだけで、現状維持にしかならず状況は改善されない。必要なのは新しい軍艦オタクだから、これじゃいけない。

ここで「ゲーム」という選択肢が出てくる。

情報伝達手段としての「ゲーム」

ゲームは客を楽しませて儲けるものであり、かなり効果の高い情報伝達手段でもある。

「ゲーム」は「プレイヤーを楽しませるもの」だから、読んでも面白いかわからない文字などと違い「とりあえず楽しめるはず」という期待感がある。そして「操作によって結果が変わる」ため、その他の情報伝達手段と違い学習意欲が高まりやすい。「もっと楽しむにはどうしたらいいか」と。こういう性質から、ゲームは衰退ジャンルの集客のための情報伝達手段として適している。

けどおかしい。今までも軍艦のゲームはいくらでもあったはずで、それでも軍艦は衰退ジャンルから抜けられなかった。

まぁそりゃそうだよね。いくらゲームでも「軍艦」には「要求される知識が多そう」というイメージがまとわりついている。ファンタジーなRPGやアクション、エロゲなどの軽くて楽しいゲームがひしめき合っているゲーム界隈で「軍艦をゲームにしました。プレイしてください」と言っても響かない。

そこで「艦娘」です。軍艦を美少女にすることで「軍艦について知らなくても、とりあえずかわいい女の子と楽しい一時を過ごせれば元は取れるだろう」というイメージで持たせて「軍艦」ジャンルへの参入障壁を取り払ったわけです。

でもこれだけじゃ足りない。単に軍艦を美少女にしただけではイロモノなエロゲと変わらない。軍艦オタクを増やすにはエロゲじゃダメなんです。

そこで「ネットゲーム」です。

「ゲーム」と「ネットゲーム」の違い

プレイヤーの学習意欲は作品のプレイ時間に比例する。1週間後にはもうやっていないだろうゲームなら、割とどうでもいいじゃないですか。けど1年後も続けているだろうゲームだと世界観からキャラクターの細かい設定まで何もかもが気になってくる。

その点ネットゲームのプレイ時間は「プレイ期間」というくらい長い。明日も明後日も、1年後も多分艦これやってるんだろうなって諦観、ありますよね。これはネットゲームが「長時間プレイしたくなる設計」が許される特殊なゲームだから。

ネットゲーム以外のゲームは長時間プレイしてほしくない。そりゃ新作を買ってもらわなきゃいけないからね。新作発売までには飽きてもらいたい。極端な話、買ったらインストールなんてせずに積んでもらいたい。

そんな「短時間で飽きてもらう設計」が必要なゲームでは軍艦オタクは育てられない。軍艦オタク育成には時間が掛かる。だから艦これは「ネットゲーム」である必要があった。

ネットゲームなら長い年月を掛けて軍艦オタクを育てられる。それは「軍艦を前面に出す必要がない」ということでもある。急がないから、艦娘というとっつきやすいキャラクターを経由しての軍艦教育が可能になる。「1週間後にはもうやっていないだろうゲーム」にはそんな余裕がないから、軍艦を前面に出さなきゃいけなくなって、それがそのまま参入障壁になって詰んでしまう。

そんなこんなで「軍艦オタクを増やす」には、ネットゲームは最適な手段と言える。

けどネットゲームを作るのは辛すぎる

ネットゲームが軍艦オタクを増やすのに適しているとしても、ネットゲームは「じゃあ作る~♪」で作れるほど軽くない。プログラム、イラスト、BGM、…その他色々が必要な巨大プロジェクトだから「趣味仲間を増やしたい」程度ではやっていけない。

だから「軍艦オタクを増やすためにネットゲームを選択して艦これを作った」ではなく「ネットゲームを作ろうという話を受けて、じゃあついでに軍艦オタクを増やすのに利用しよう」で艦これになったんじゃないかな。

まとめ

「軍艦オタク増やしたいなぁどうしたらいいかなぁ」
「なぁネットゲームで一儲けしない?」
「ネットゲームねぇ…あ、そうだ。軍艦の擬人化とかどうですか!」

艦これ誕生

情報伝達手段の考察(作るのは簡単だけど伝わりづらいとかどうとか)を艦これに絡めた記事を書いていたらそういえばゲームも情報伝達手段だよな、と気付いて。

それからエロゲをやっているときに自分の学習意欲が低いことに気付いて、プレイ時間短いしなぁって納得したんだけど、そもそもなぜエロゲのプレイ時間は短いのかって考えたらそうか新作を買ってもらうためかって気付いて、そういう視点でエロゲを見たら飽きさせる設計がちりばめられているように見えてきて。

それを組み合わせたらこんな妄想記事になりました。

おまけ:エロゲの「回想」と艦これの「図鑑」

CG・Hシーン回想機能(艦これの「図鑑」みたいな、ゲーム中で見たCGやHシーンを後からいつでも見られるようにする機能)なんかは、飽きさせるための機能なんじゃないかな。「もう見ていないCGやHシーンはありません。全クリですよ。やめましょう!」というメッセージを発して辞めて頂く。最近の作品では「回想をコンプリート状態にする機能」なんかも出てきてもう何かすごい。

じゃあなぜ長時間プレイしてほしいはずの艦これに図鑑があるかって、艦娘を通して軍艦を学んでほしいから。だから元ネタを知りたくなるような機能があった方がいい。それが図鑑。

それに図鑑はコンプリートできないから問題にもならない。エロゲのCGやHシーンには基本的に追加はないから「回想が埋まった = コンプリート」になる。けど艦これの艦娘や装備はどんどん追加される。だから「図鑑が埋まった = コンプリート」にならない。

図鑑一つ見てもよく考えられてると思う。まぁ妄想なんだけど。